Facebookで過去の恋人の名前を検索してしまうのは花粉症の症状ですよね。

むかし付き合っていた人を、Facebookで検索することはあるだろうか。

気持ち悪がられるのを承知で書くが、私は実際にやったことがある。まずは相手の名前を漢字で検索し、出てこなかった場合はローマ字で打ち直す。ローマ字の場合、同姓同名の人物が何人か出てくる場合がある。プロフィール写真で判別できないときは、ひとりひとりクリックして地道に探していくという具合だ。

未練があるのか、というと全くそうではない。ただなんとなく気になるのだ。自分は、どのような人を愛し、どのようにお別れしてきたのか。写真を見て曖昧な過去に浸りまくる。そして、思い出が泡のように吹き上がってきて、自身の行為の恥ずかしさに耐えきれなくなったところで画面を閉じる。例えるならば自慰だ。(あくまでも比喩である)

好きだった人を発見し、若干の興奮を覚えながらその人のページを開く。すると時折、そこには幸せな写真がアップされていることがある。昔と変わらないほほ笑む口元の可愛さ、そしてその傍らには爽やかな雰囲気の男性。画像から伝わってくる、「ナイスガイ感」。今、あの人はすごく幸せなんだろうなあ。なんだか自分との過去が申し訳なくなるほど。ちょっと切ない気持ちを胸にしまい込んで、心に晴れ間を探し始める。

 

まあ、たまには小さな棘をいじって感傷的になってもいいだろう。これも全部春のせいだ。

目にかゆさを感じて目薬を大量に垂らすと、浸透しきれなかった液体が頬を伝って落ちていく。ああ、心なしかちょっとしょっぱい。薬品成分の味だよね、きっと。

ぐじゅぐじゅ・・・たらー・・・連鎖的に鼻汁がみっともなく伸びてゆく。

日に日に暖かさを帯びてきた風が花をなびかせ、その小さなきらめきが私をなでてくれる。ああ、エモーショナルな背中を押してくれる風よ。暴力的な優しさをありがとう。感謝の涙と鼻水があふれて止まらないよ。

 

てなわけで今週のお題「花粉」。

うー、へくしっ。


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