浮気しあってるし、もはや終わってるね、あたしたち。

あたしには同棲中の彼氏がいる。付き合って四年だから、わりと長いほうだと思う。

ま、正直もう終わってるんだけどね。

 

終わってるっていうのは「恋人として」って意味ね。別に仲が悪いわけじゃなくて、ただただ互いに干渉しないだけ。あたしが朝まで帰ってこなくても連絡してこない。それはこっちもおなじで、どんな女と遊んでようがあたしは何も言わない。

いいの、この関係は自己中祭りを延々とやってきた結果。お互い様だよね。

 

・・・このあいだ、ちょっとした事件があってさ。荷物を取りにいこうと思って実家に行ってたの。そんで2日後、一緒に住んでる今の家に帰ってきたんだけどもうびっくり。寝室の箪笥からあたしの下着がごっそり抜かれてたの。

全部だよ全部。

彼氏はもうどこかへ出かけてたし、自分で探さなきゃいけなかったのね。で、見つけたんだけど、それがさ、彼氏のクローゼットの中にぐちゃぐちゃにぶち込まれてて。

ああ、女連れ込んだんだなってわかった。箪笥のなかにゴムも入ってるから、女物の下着見られたらやばいもんね。

ごめんね、かわいいわたしの下着たち。しわしわになったパンツを手に取ってしばらく呆然としてた。これ、気に入ってたんだけどな。彼のこと飽きさせないようにってたくさんかわいいの買ったんだけどな。ひとつひとつ回収して丁寧にたたみながら規則正しく箪笥に戻した。

っていうかうちでしないでよ…。ここはラブホじゃないんだから。さすがに他人の汗や匂いが染みついたこのベッドで寝るのはイヤ。あたしだって他の男と寝ることあるけど、さすがに相手の家かホテルに行くようにしてる。一緒に暮らしてるんだから、そういうのはマナーとしてちゃんとしてほしい。

え、そんな不毛な関係続けててもしょうがないって?わかってる、わかってるけど離れらんないの。いつもは達観した男女論を喋ってサバサバとふるまってるけど、ホントはきっとただのメンヘラ。っていうか女なんてこんなもん。やっぱりなんだかんだで大好きだし、いなくなったらさみしい。だって四年も付き合ってるんだよ、だらだらと情に引っ張られてるだけかもしんないけど、別れたくないよどうしても。

ってそんなこと、よそでワンナイしちゃう女が言ってもダメだよね。。。

ああごめん、いっぱい愚痴っちゃた。

聞いてくれてありがとね。

 

 

退廃的な関係は互いをダメにしていくはずなのに、何か言い訳を作って無理矢理継続させようとする。結局は、慣れている「今」を壊すのが恐いだけなのだろう。「今」は過去の積み重ね。楽しかったこと、苦しかったこと、気持ちよかったこと、様々な思い出から作られている。その時間が無駄になるのがもったいなくて情に流される。そして傷だらけになりながら、いつか良くなると信じて出口のないトンネルを進む。

ちなみにこれは去年の話。この記事の主役である友人Nは、すでに彼との交際をやめて一人暮らしをしているそうだ。とても気持ちが楽になったと言っていた。勇気をもって新しい道を選んだNはえらい。心なしか以前よりかわいくなった気もする。(たぶん)

 

長い年月を過ごしてきた人と別れるのはとても辛いことだ。だけど、季節が変わるように人との関係性も変容していく。それを数多く受容していき、やっとのやっとで運命の人と出会うのだろう。険しいけどしょうがない。

 

Nも素敵な人に出会えるはず。もしかしたらもう出会ってるかもしれない。わからないけど。

どうかたくさん美味い酒を飲みまくってくれ。

乾杯。

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