芳根京子の性格を妄想して出演映画『ファーストラブ』の演技について語ってみた。(未鑑賞)

 「動機はそちらで見つけてください」

父親を刺殺した女子大生の言葉で物語は動き出す。

 

映画『ファーストラブ』。

北川景子さん、中村倫也さん、芳根京子さんらが出演しているミステリー作品である。

 

 個人的に芳根京子さんの雰囲気は絶妙に苦手だ。なんだろう、身近にいたらあんまり仲良くなれなさそうな。浅い平面的な会話だけしておくのが一番良好な関係を築けそうというか。

初めは親切に接してくれるんだろうけど、ふとした拍子にいきなり嫌われそうというか。

これは、たまたま見ていたドラマにちょっとめんどくさい女性の役で出ていたというのが理由なのだが、そこまでのイメージを視聴者に植え付けるというのは彼女が素晴らしい演技をする女優さんであるということでもある。決して彼女が忌避されるような女性であると言っているわけではない。本当は快活で真心溢れるステキなレディーだと思う。

 

そんな芳根さんは映画『ファーストラブ』においても複雑な役柄を演じている。

(以下ネタバレあり&よければインスタフォローしませんか)

 

前述した、父親殺しの女子大生、聖山環奈だ。

父親に逆らえず、母親の言うことを聞き、周囲の男たちを拒むことができなかった環奈。感情的になることはなく比較的おだやかな性格の彼女が如何にして殺人を犯してしまったのか。

まさに物語における要の人物と言えよう。

 

芳根さん。どんなふうに演じるんですか。
演劇業界の片隅の埃だった私としても気になるところです。

 

というわけで

今から勝手なこといいますね。

 

芳根さん(が演じてきた役の)のイメージは【いきなり豹変タイプ】だと思っている。容姿も美しく、みんなに好かれ明るい印象の彼女。だが実は胸の奥に深い闇を隠していて、そこへは誰も踏み込ませまいと常に防衛線を張り続けている。

その闇に気が付いて、フライジャルな心を支えてあげようと慈しみから手を伸ばしてしまったとき、きっと彼女は激しくこちらを拒絶してくるだろう。両手で頭を抱えヒステリックに発狂するかもしれない。しかしそれは本気で拒んでいるわけではない。自分の心の内を知られたのが恥ずかしいだけなのだ。本当は震える手をしっかり握って、苦しみもだえ続けてきた暗い世界から救い出してほしいのだ。

 

 そんな芳根さん(?)が演じる環奈。これは何だかすごいことになりそうだぞ。

序盤は原作通りのおだやかで物静かなキャラクター。だが、臨床心理士北川景子と弁護士の中村倫也が彼女の過去に触れていくにつれ、芳根さんは豹変していく。あ、違う、環奈だ。きっと身をよじらせ激しく暴れる。見ている側も胸を痛める。そして胸を抉られるような苦しい不快感を得る。これだ。見えた、俺は見えてきたぞ。

 

私は映画『ファーストラブ』をまだ観ていない。島本理生さんの原作小説を読んだだけである。

ゆえにこれはあくまでも私の勝手な想像であることを皆さまにはしつこく伝えておきたい。

 

だが万が一ということがある。

もし仮に、ここまで気儘に述べてきたた環奈像がばっちり当たっていたら・・・やっぱり芳根京子さん(が演じる多くの役)はメン〇ラだ。何度も言うがこれは個人批判ではない。むしろちょっとそれくらいの方が可愛らしいではないか。そういうのってなんだか癖にならないか、男性諸君。ねぇ、なるよねぇ。

 

くりっとした愛らしい目、スっと通った鼻筋、そしてちょっぴり小生意気そうな顎。

日々の暮らしの中で、ふとその整った顔を思い浮かべてしまうときがある。

もちろん私は彼女の出演作を全てチェックしているわけではない。ましてや熱狂的なファンでもない。ただどういうわけか彼女の存在が脳裏から離れないのだ。
「苦手苦手言っておきながら好きなんじゃん」違う。ふり幅の少ない人生を送ってきた私でもわかる、経験則的にこれは恋ではない。
ではいったいなんなのか。テレビに映っていると、手をぴたっと止め口をぽかんと開けじっと凝視してしまう。次の番組、コマーシャルに移り変わっても目の裏で残像が踊り続けている。今まで感じたことのない種類の慕情が胸を覆い尽くす。


これはもしかして私にとっての『ファーストラブ』なのか。
いいや、認めない。絶対に違う。私は芳根涼子が苦手だ。仲良くなれない。我々は相性が悪い。

28歳塾講師の淡い妄想は、いじらしくめらめらと燃える。

 

ファーストラヴ (文春文庫)

ファーストラヴ (文春文庫)